銀行の法人融資 事業資金借入の審査

法人融資の審査内容!信用格付とは?債務者区分とは?銀行員が解説

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今回は、法人向け融資の際に、銀行内での審査において重要な判断材料となる「信用格付」と「債務者区分」について解説していきます。

これから新規で融資を受けようと思っている、または既に融資を受けているけれど、銀行側の審査のポイントやプロセスを知りたいと思っている企業の社長・財務部長・財務担当の皆さんに参考にして頂けると幸いです。

銀行の融資審査の基本的な流れ

融資の申込み相談があった後、まずは信用格付を決定します。

信用格付の決定 → 案件検討 →条件決定 →融資実行 というのが大まかな流れです。

信用格付の決定 「信用格付け」とは?

信用格付けとは借入人(融資を受けたい法人・個人)の信用力に基づいて銀行が内部管理の目的で付与するもので、一般的にA1~G1まであり、A1に近い程信用力が高く、G1に近い程信用力が低いことを意味します。

つまり銀行から見てリスクの度合いに応じてランク分けされているということです。

信用力とは、その借入人の返済能力のことを示していると思ってください。

ちなみにS&PやMoodysの様な格付け機関が付与する外部格付けとは別のものです。

信用力は借入人の定量面と定性面から判断されます。

定量面

定量面は決算書に基づき行います。具体的には、債務者から提出された決算書を銀行側で分析します。

単年度だけでなく過去の推移を見ます。新設会社で無い限り最低3年分は対象とします。

一昔前は提出された決算書とにらめっこをしながら電卓を叩いていましたが、最近ではシステム化が進んでおり、専用のスコアリングシステムに決算書を登録すると財務分析に必要となる情報をシステムが数値化してくれます。

それをベースに銀行員が作業をしていきます。

作業の中ではまず貸借対照表を分析します。主に資産サイドの分析になりますが、資産の中に不良資産がないか、そういった不良資産による含み損を勘案した場合の自己資本(実質自己資本とも言います)がいくらを算定します。

銀行の判断の一つとして債務超過かどうかが重要になります。

債務超過とは、自己資本がマイナスということで、企業の財務内容が危機的な状況にあることを意味します。

債務者から提出された決算書は簿価ベースになっているため、たとえば保有している不動産の中には現在の時価に直すと含み損があり、実際は決算書に記載されている金額よりも価値が小さくなっている等、時価に置き換えると含み損が発生する場合があります。

不動産以外にも売掛金や棚卸資産、貸付金等の資産の含み損を反映したベースで算出するのが実質自己資本で、こちらがプラスになっていれば債務超過ではありません。

実質自己資本が多ければ多いほど良いです。

続いて損益計算書を分析します。損益計算書では売上・各利益を見ますが、特に重要なのは粗利益と当期利益です。

粗利益は売上から原価を引いた値で、その企業の儲ける力を示しています。

当期利益は粗利益以降の様々な利益や費用を勘案した最終利益です。

この二つの利益がマイナスになっている場合はその企業が経営をしていく上で何らかの問題を抱えていると判断されます。

また、融資の返済能力を判断する際も当期利益を使いますので、当期利益が少ない、もしくはマイナスの場合には問題があると判断されます。

この貸借対照表、損益計算書を基にスコアリングをし、一旦格付けを付与します。

定性面

定性面は社長の人柄や従業員の様子、企業の技術力や業界内での立ち位置等決算書以外の要素を総合的に判断します。

但し、銀行員にそこまでの目利き力はありませんので、実態としては、その企業の評価は下がることはあっても大幅に上がることはありません。

信用格付の決定

以上定量面・定性面の分析を踏まえ格付けを付与します。

A1~C3であれば問題なく融資を受けられます。D1~D3は銀行側が少し慎重になります。E1以下は融資が受けられない可能性がある水準です。

大企業の子会社に対する格付け

通常、信用格付けの付与は債務者単体の信用リスクを元に決定しますが、債務者が大企業の子会社の場合には親会社の信用格付けを勘案し格付けを付与する運用がメガバンクを中心に行われています。

例えば、債務者が大企業の連結子会社で、債務者の経営の決定に関して親会社である大企業が強い影響力を持っていると判断出来る場合には、親会社との経営の一体性が認められると考え、債務者と親会社が同一の信用リスクを有していると見なします。

仮に、債務者である子会社の信用格付けがC1、親会社である大企業の格付けがA1であった場合には、債務者である子会社の信用格付けをA1にするというものです。

昨今、M&Aが当たり前になり、買収した先を自社や、自社の持ち株会社にぶら下げるケースが多々ありますが、こういったケースにも本手法は適用されます。

案件検討

信用格付付与後、案件毎の返済リスク及び採算性の検討を行います。

返済リスク

返済リスクについては運転資金と設備資金で検討の目線が異なります。

運転資金については、基本的に売掛金等の入金が実行される迄の立替資金の位置付けですので、その入金が行われる確実性を検証します。

例えば売掛先がトヨタ自動車であれば、日本を代表する優良企業ですので、入金の確実性は高いので、返済リスクは低いと判断します。

その一方、売掛先が業績の悪い企業や、実態が分からない中小企業や個人の場合には、入金の確実性が判断できませんので、返済リスクは相応にあるものと判断します。

設備資金については、返済期間が融資対象物件(例えば店舗や工場)の法定耐用年数及び債務償還年数内に収まっていれば、返済リスクは少ないものと判断します。債務償還年数は融資金額÷(経常利益+減価償却費)で算出することが出来ます。

運転資金、設備資金それぞれの検討に基づき返済リスクがあると判断した場合には、債務者の財務体力や、担保や保証と言った所謂保全面を勘案して再度検証をします。債務者の財務体力については、現預金や、後程「信用格付」で触れる実質自己資本が充実していれば、トータルの返済リスクは低いと判断出来ます。

担保は不動産や預金・有価証券等、保証は債務者本人や企業の代表者・第三者の保証です。

こちらを勘案した際に、最終的に銀行側でとりっぱぐれが無いと判断出来れば、案件を実行することもありますが、基本的には保全が無くても返済リスクが無い債務者に対して融資を実行する姿勢です。

保全があるから実行するという安易な考え方ではありません。

採算性

銀行の根源的な収益の一つに金利収益があります。融資の際に、債務者が銀行に対して支払う金利です。

金利は主に、返済リスクをコストに置き換えた値所謂スプレッド、金利の調達コスト、銀行側の人件費を合計したものです。

金利の調達コストや銀行員の人件費はどの債務者も共通ですが、返済リスクは債務者、案件毎に異なります。返済リスクが高いほど、スプレッドは高くなり、返済リスクが低いほどスプレッドは低くなります。

金利以外に、国内外での資金決済や、M&A等の証券業務関連の手数料等も採算に含めて検討されます。

融資実行

信用格付、案件の検討を経て、決裁所謂稟議を作成します。稟議は支店長や部長といった営業現場の長の決裁で完了するもの、審査部等の本部の決裁迄必要なものがあります。決裁が完了しましたら、契約書を締結し、後日融資が実行され、融資金額が所定の口座に振り込まれます。

 自己査定

なお、融資審査とは直接関係ありませんが、金融機関では信用格付けを基に自己査定を行っています。

自己査定は金融庁が定めた金融検査マニュアルに基づき金融機関が行う作業で、各金融機関が保有する資産を銀行自身=自己が査定し、その後の適切な償却・引当を行うための前作業です。簡単に言うと各金融機関の資産の健全性を法令に基づいて開示させる制度です。

具体的には、保有する貸出金及び貸出金に準ずる資産(貸付有価証券、外国為替、未収利息、貸出金に準ずる仮払金、支払承諾見返)を、信用格付に基づき、債務者区分と言われる区分に分けた上で、こちらに担保・保証による保全を加味し、資産を分類します。

債務者区分の詳細については後述します。

信用格付けに基づく債務者区分が決定したら、担保・保証を加味した上で、金融機関が保有する資産の回収度合を見て、Ⅰ分類~Ⅳ分類 に分類してきます。

分類とは、回収の危険性または価値の毀損の危険性の度合いに応じて資産Ⅱ、Ⅲ及びⅣ分類に分けることをいい、Ⅱ、ⅢおよびⅣ分類としないこと(Ⅰ分類)を非分類と言います。

Ⅰ分類は回収に懸念の無い資産、Ⅱ~Ⅳ分類は回収に懸念のある資産で、Ⅳ分類に近い程回収に懸念がある度合が高くなります。この分類に応じて金融機関は償却・引当を行い、決算に反映をさせます。

具体的には当期利益に損益を反映させます。償却・引当額が前回決算時よりも増加していれば損として、減少していれば益を計上します。

つまりⅡ~Ⅳ分類に分類される様な債務者に対する融資は銀行の決算上損を計上することになりますので、銀行としては慎重に消極的にならざるを得ません。

審査の際は、まず格付を付与し、同時に債務者区分を付与します。
例えば信用格付がA1~D3であれば債務者区分を正常先します。
債権区分については、債務者区分と表裏一体ですので、案件検討の際に決まっています。
但し、債権区分は金融機関の決算、所謂開示の際にしか使用しませんので、審査の過程とは別物と扱っています。

「債務者区分」「債権区分」とは何か

債務者区分とは

債務者区分とは、債務者の財務状況、資金繰り、収益力等により、返済能力を判定して、その状況等により債務者を区分することで、「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」に区分することを言います。それぞれの区分を定義すると以下の通りです。

① 正常先

業況が良好であり、かつ財務内容にも特段の問題がないと認められる債務者。信用格付けで言う所のA1~D3です。

② 要注意先

貸出条件に問題がある債務者、履行状況に問題がある債務者のほか、業況が低調ないしは不安定債務者または財務内容に問題がある債務者など、今後の管理に注意を要する債務者をいいます。信用格付けで言う所のE1からE3です。具体的には当期利益が赤字になっている先、債務償還年数が長期化している先、融資の返済を期日通り行えていない=延滞先等です。

③ 破綻懸念先

現状、経営破綻の状況にはないが、経営難の状態にあり、経営改善計画等の進捗状況が芳しくなく、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者をいいます。信用格付けで言う所のF1です。具体的には、資金繰りに懸念のある先、実質自己資本がマイナスになっている先です。実質自己資本については、後述「信用格付け」とは何かで詳細を記載します。

④ 実質破綻先

法的・形式的な経営破綻の事実は発生していないものの、深刻な経営難の状態にあり、再建の見通しがない状況にあると認められる等、実質的に経営破綻に陥っている債務者をいいます。信用格付けで言う所のG1です。実務上は、破綻懸念先の状況が悪化すると、破綻先まで行ってしまうので、実質破綻先の先というのは少ないです。

⑤ 破綻先

法的・形式的な経営破綻の事実が発生している債務者を言い、例えば、破産、生産、会社更生、民事再生、手形交換所の取引停止処分等の事由により経営破綻に陥っている債務者を言います。
信用格付けで言う所のH1です。

債権区分とは

さらに、上記債務者区分に続き「債権区分」を行います。「債権区分」とは「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律施行規則」4条に定める基準に基づき、債権を債務者の状態及び経営成績等を基礎として「正常債権」「要管理債権」「危険債権」「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」に区分することをいい、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」に基づく試算査定結果の内閣総理大臣への報告並びに開示基準のことをいいます。各債券の定義は以下の通りです。

① 正常債権

国、地方公共団体に対する債権および被管理金融機関に対する債権、正常先に対する債権、及び要注意先に対する債権のうち要管理債権に該当する債権以外の債権

②要管理債権

要注意先に対する債権の内、3カ月以上延滞債権および貸出条件緩和債権

② 危険債権

破綻懸念先に対する債権

③ 破産更生債権

実質破綻先及び破綻先に対する債権

債務者区分、債権区分のまとめ

まとめますと、「債務者区分」「債権区分」とは、銀行が保有する資産を債務者の財務の状態に応じて区分することです。こちらを政府に対して開示することが法令で定められていることから、金融機関としては、財務の状態が良くない債務者には簡単には融資出来ないという心理が働くわけです。

今後の銀行融資の方向性

過去に行われてきた融資審査の重要ポイント
上述の通り、銀行融資は、財務指標を中心とした定型的な基準に基づく高い信用格付けや良好な債務者区分を有する債務者、担保や保証といった所謂保全が十分にある債務者に対して行われてきた傾向があります。

最近の金融庁の動き

金融庁は過去の融資審査のポイントが原因で、財務体質が良くなく保全もない中小企業は、金融機関から十分な融資を受けることが出来ていないのではないか、金融機関としてもビジネスチャンスを逸しているのではないか、との問題意識を持っています。しかしながら、各金融機関の融資の考え方は金融庁の監督方針(金融検査マニュアル)に寄るところが大きく、金融庁側にも問題がありました。金融庁の従来の検査・監督は、バブル崩壊後の不良債権問題の解決や、金融行政への信頼回復が主で、各金融機関に保守的な経営を求めるものでした。そこで金融庁、特に現在の森長官が就任して以降は、従来型のリスクのチェックや最低基準の充足状況のチェックといった保守的な要素が強い監督指針から、金融機関の創意工夫を促し、将来にわたって金融仲介機能の発揮と金融システムの健全性維持を目指す監督指針へと変わりつつあります。金融検査マニュアルについては、2017年12月に実質的に廃止されることが発表されています。

事業性評価とは

金融庁としては、現在の各金融機関の融資は信用力が高くコストがかからない定型的な基準で判断しているものが多く、債務者の財務諸表や担保・保証に依存する傾向が高いと考えています。今後日本の人口構造や産業の構造が変化していく中で、現在の様な融資姿勢では金融機関のビジネスチャンスは乏しく、金融機関自体の経営も苦しくなります。こうした背景もあり、金融庁としては、債務者の事業内容や特性、競争環境、成長可能性といった事業性の評価に力を入れることで、融資やその他のビジネスチャンスを拡大することが出来、ひいてはそれが債務者の発展、回り回って金融機関の業績拡大に繋がるのではと考えており、今後は各金融機関に対して、融資の検討ポイントとして事業性の評価を求めていくことになります。

ベンチマークとは

金融庁は2016年9月に、金融機関が金融仲介機能の発揮状況を客観的に評価できる多様な指標として、金融仲介機能のベンチマークが策定されました。ベンチマークは規制やルールではなく、各金融機関が金融仲介業務においてベストプラクティス(ある結果を得るのに最も効率のよい技法、手法、プロセス)を目指すためのツールとの位置づけで、「取引先企業の経営改善や成長力の強化」「取引先企業の抜本的事業再生等による生産性の向上」「担保・保証依存の融資姿勢からの転換」の三つの目標に向け、「自己点検・自己評価」「自主的開示」「当局との対話」の三つのツールとして活用することが期待されています。

今後の銀行融資の方向性について説明

上述の金融庁の指導方針の変化もあり、従前よりも事業性を重視した融資審査が行われていくことは流れとして間違いありません。しかしながら、私も含めて銀行員は決算書を読むことは出来ても、その事業を経営者以上に理解することは現状出来でいませんので、実態としては、しばらくの間は従来の通り財務面、担保・保証面を重視した融資審査が継続せざるを得ないと考えます。
銀行員にはマインドリセットが求められています。

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